弓力

骨法の力」と歳月


弓をはじめて1年で六分(20kg程度と思います)が引ける事

古希(70歳)を過ぎても六分~六分五厘程度が引ける事

初心から1年ほどの稽古された方の弓力が射学正宗と本多利実師述「弓道保存教授及演説主意」に明記されています。

明治22年本多利実師が「唯弓を引いていては射は分りません、射は骨法に基ずくを学びなさい」と糺し、正しい指導を受ければ

 ひと()月で 骨法を知り

ふた(二月で 射形が調い

み(三)月  で 弓力が増し

よ(四)月  で味わいを覚え

五つ月  で  調子を得

六ヶ月で 真の中を知ります

と述べています。

本多師の述から弓力は薄六分(20kg程)と記述されています。

因みに射学正宗の記述からは巻き藁前で30数匀(20㎏前後)3ケ月程して弓力を上げていく記載されています。

骨法を知る」とは、ここでは、射は「法」に基ずく「射法八節」に従って矢を射る事を知る事


出鱈目に引くのではありませんよ、と弓を手にしたその時に誰もが教わります。

しかし、射法八節が骨法から成る事を最初にやさしく説く方はあまりおられません。

始めの始めは、見て真似する事は逃れられませんが

素引きに入る前に、初心の方々が理解するしないは別にして、

先哲の書からは『指導される方は「骨法」についてお話しし「骨法」の理を学びながら稽古する意識を作る事』と学べます。

「骨法」を知らなければ規矩も不明です。

「どのように立ち、どのように弓を押しげるのか、どのように放つのか」は伸びつ続ける骨力の軸が本です

その事が「骨法」である事を知らなければ、いつまでも真似した外見の適否を詮索する迷い道に誘い込みます。